今日も通勤電車で見た。夏子。毎年、夏になると見かけるいい女である。昔、化粧品のコマーシャルで世良公則が歌っていた「燃えろいい女 燃えろ夏子」のフレーズがよみがえってくる。 都会的なファッションセンスにナチュラルで巧みなメーク。どことなく気取ったムードを漂わせ、座っていてもスタイルの良さがしっかりわかる。おしゃれの町、神戸でもなかなかお目にかかれない美女である。20歳代が多い。 多い? なにそれ? そう、夏になると見かけるいい女たち。名付けて「夏子」だ。8月になると、普段、通勤電車ではなかなか見けないいい女が増え、お盆前後で急増する。東京から帰省した大学生や社会人の女性たちだろう。案外、ニューヨーク、ロンドン、パリあたりからも帰省しているかもしれない。
世界最先端の都会で高度なファッションセンスを身につけて実家に帰ってくる。「あなたたちとはちょと違うのよ」という気持ちが無意識にあふれ出ている。都会的センスを見につけ、逆に故郷で身につけていたいらぬ肉はそぎ落とした。食うものも食わずに。そうでなければファッションも化粧も映えないのだ。
そう考えると、冬休みに帰省した「冬子」も春休みに帰省した「春子」もゴールデンウイークに帰省した「金子」にもいい女がいるはずだ。なるほど。